著者は埼玉県南西部に住み、東京都西部の「多摩地区」にある複数の職場との間を移動しています。EVsmartの拠点(アユダンテ株式会社)がある都心の千代田区へは、ごくたまに行く程度。自宅から週に5日通っている職場への通勤は、以下のような具合です。

電車とバスと徒歩で通勤の場合
行程
- 自宅 → 最寄り駅:徒歩
- 最寄り駅 → 乗り換え駅:電車
- 乗り換え駅 → 職場最寄り駅:電車
- 職場最寄り駅 → 職場最寄りバス停:バス
所要時間
片道で1時間30分前後です。
距離
鉄道の営業キロなどから算出すると、距離はおよそ30kmです。
満足な点
何より時間がわりと正確です。また、座れれば休めますし、眠れます。立っていても、本が読めたりするのはありがたいです。土砂降りだろうが雪だろうが、比較的時間通りに移動できます。
不満な点
朝は最寄り駅まで7分ほど歩きますが、身体が温まってしまうので、電車の中では真冬以外は「暑い」と感じることが多いです。電車内は混雑しているので、正直言って不快です。男性としては、痴漢冤罪に巻き込まれないよう注意を払うことも忘れてはいけません(女性の近くはもちろん、なるべく他人から距離を取って立ちます)。乗り換え駅のホームは夕方は結構混雑するので、立って並んで待っているのはもの凄く不快です。
自家用車(バッテリー式電気自動車:BEV)で通勤の場合
行程
- 自宅 → 職場:BEV
これだけです。

所要時間
片道「朝」で1時間30分(早朝)から1時間50分(途中で朝マックなどしたとき、遅く出て渋滞がひどいとき)、夕方は混むので長いと2時間10分〜2時間40分(帰路に生協などで食材買いだしをしたとき)と、ルートと寄り道の有無にもよりますが、時間は結構変化します。
距離
これまでの最短で32km台、最もよく使うルートで35kmほど。仕事が早く終わったときなど、たまに気晴らしに景色の良い道を通ると40km弱といったところです。
満足な点
何より「自由」ですね。勤務時間が早く終わる日があれば、郊外の「古民家カフェ」にふらっと立ち寄ることもできますし、眺めの良い奥多摩に行ったり、空気の良い木陰の駐車場で鳥の声を聴きながら昼寝することもできます。
車内は基本的に自分だけの空間なので、ラジオを聴いたり、人気の「サブスク」Spotifyなどで好きな音楽(bebop系のjazzとMusica Popular Brasileiraが多し)を聴くもよし、仕事がらみの英語を聞いたりもできます。

荷物も多く積めます。ラップトップを毎日持ち歩けるので(EVsmartブログチームとしてはココが結構重要)、充電中に休憩しながら原稿を書いたり直したりもできます。
そして、後述しますが、通勤にかかるお金がもの凄く少なくて済みます。超♪ 経済的です。
不満な点
朝は勤務開始時間までに間に合う必要があるので、時間との勝負です。よって、早めに出て余裕を持って走れるようにしています。電車通勤に比べて家を出る時間が早まるのはせいぜい10〜20分ですが、朝の10分は「値千金」です。朝が早いのはやっぱり疲れますね、特に日の出が遅い冬期は暗くて……。
「時間+気楽」を取るか、「自由+お金」を取るか
「徒歩+電車+電車バス」での通勤の最大のメリットは、時間が比較的正確で、しかも短くて済むということです。また、自分で運転するわけではないので、交通事故を「引き起こす」リスクはほとんどありません。「巻き込まれる」リスクは消えませんが……。そう言った意味で、気楽な部分はありますね。
対して「自家用車での通勤」は、交通事故を「自分から引き起こす」リスクは常にあります。注意して運転していても、人間ですからミスはあります。また、かなり無謀な運転をする自転車は毎日目にしますから、こういった無謀運転者によって事故に巻き込まれる(誘発される)可能性もあります。逆走(自転車の右側通行)は当たり前で、無灯火もまだまだ見かけます。狭い道から左右をよく見もせずに飛び出して来る自転車も、ほぼ毎日見かけます。

しかし、自家用車による通勤は自由気ままで捨てがたい魅力があります。本数の少ないバスの時間に気を揉むことも無ければ、雨のために徒歩をバスに切り替えると時刻表を気にしなければならないなど、気にすることが減るのも嬉しいものです。
1日にかけられる経費は76円?
筆者はかつて、BEVのi-MiEVだけでなく、同型のガソリン版 i も持っていました。走行にかかる費用を比較したところ、「深夜電力で充電するBEVは、ガソリン車に比べて1/10〜1/12のお金で済む」ことが分かりました。
筆者の通勤には、「電車+バス」だと、切符で660円、交通系ICカードで651円かかります。往復だと、それぞれ倍の「切符1,320円」、「ICカード1,302円」です。
最も割安になる「6ヶ月定期」だと、鉄道部分が67,980円でバスが43,470円なので、合計111,450円かかります。職場では、バスの部分は出なくて、67,980円だけが半年ごとに振り込まれています。定期券は「往復」の運賃なので、前述の「切符1,320円」、「ICカード1,302円」と比べることになりますね。
6ヶ月定期の電車とバスの111,450円を半年のうちの実勤務日数であらあら割ると、128日程度なので、「1日あたり871円」ほどになります。定期券を買わずに毎日ICカードで電車・バスに乗ると、ICカード払いだとしても「毎日430円の差」が出るようですね。
実際には、職場からは、バス代を除いた67,980円しか支給されていないので、こちらで比べることにしましょう。「支給額67,980円」÷「実勤務日数128日」=「531円 / 日」です。
筆者の通う職場のうち、この週5日で行くところは、郊外にもかかわらず職員用の駐車場が足りていません。今まで経験したことのない珍しい事例です。よって、職員は近くに月極駐車場を自分で借りることになります。筆者は月1万円のものを借りているので、この金額を実際に出勤する平均の22日で割ると、1日当たりは「455円ほど」を余計に支払っている恰好です。
よって、職場から支給される「交通費531円 / 日」−「駐車場代455円 / 日」=「76円 / 日」、つまり1日当たり「76円以下の電気代」で走れれば、支給されている「電車のみ半年定期」の金額で「赤字」を出さずにやっていけることになります。
1日あたりの使用電力量
2019年9月から12月までの4ヶ月の間に計測した「使用電力量」の平均は、「6.79kWh / 日」でした。これを電力会社の「従量電灯B」の料金で単純に計算すると、
・第1段階料金(最初の120kWh迄の料金) :19円88銭
・第2段階料金(120kWhをこえ300kWh迄の料金): 26円48銭
・第3段階料金(上記を超過した料金): 30円57銭
なので、最も高い「第3段階料金」で支払ったとしても、切り上げた数値の「208円 / 日」までは行かないでしょう。
おっと、1日あたり使える経費は「76円」だったので、これでは「132円」の赤字ですね。でも大丈夫。筆者の通勤経路には、最短コースに近いところでも3ヶ所、数キロ距離が増えるのを厭わなければ合計5ヶ所もの「無料充電器(無料QC)」があります。その日の用事と気分で、どこかを通る経路を設定するだけです。

このうち筆者が最も頻繁にお世話になるのが、「最大15分制限」で「回転」の早い大手ショッピングモールの50kW急速充電器です。ここだと、これまでの経験でせいぜい1台待ちなので、最大15分待てば充電できます。充電量は少ないときで5kWhほど、多いときだと7.5kWhほどのこともあります。最大1時間まで無料で使える200V充電器が隣りに複数有るので、急速で粗々入れた後、200Vに繋いで買い物をしてくる手もあります。
帰路の無料QCから自宅までは、いずれもほぼ等距離(16〜18km)です。平均の17kmで計算すると、走行に使う電力量の平均は「11.2km / kWh」だったので、毎日無料QCから自宅までは「1.52kWn」ほどの電力を使っていることになります。これを先ほどの「第3段階料金(30円57銭 / kWh → およそ31円 / kWh)」として計算すると「47.2円」になります。

職場から支給される交通費を基に計算した「1日に使える経費」は76円でしたが、実際に自宅で最後の満充電までに使う電気代は43円ほどなので、差し引き「33円 / 日」の余裕が生まれていました。
好みの問題
ここまで来ると、「時間に正確だけど、疲れて不快で料金も安くなくて、バスの時間を気にしなければならない電車+バス通勤」と、「時間はかかるし事故のリスクもあるけど、自由で快適、荷物も積めて、お金もかからない自家用車通勤」のどちらを選ぶかは、もはや好みの問題のレベルかも知れません。

自動車通勤へ変更 〜 交通費アップで魅力もアップ
さて、2020年1月からは、通勤形態を「自家用車通勤」に切り替えて書類申請をしたので、今後は「距離当たりのガソリン代」が支給されることになりました。今の職場の規定では、いくつかのゾーンで金額が変わりますが、距離の測定が微妙なところではありますが、最低でも月に17,800円(半年で106,800円)は出してくれそうです。となると、1日当たりの額は、実際に出勤する日数から算出すると「834円 / 日」前後になりそうです。

これだと、駐車場代の「455円 / 日」を差し引いても、使える経費は「379円 / 日」に増え、だいぶやり繰りが楽になります。また、無料QCで継ぎ足させていただくとすると、自宅帰着時点での充電分を支払うだけなので、「379円 ー 48円 = 331円」、つまり毎日331円の余裕が生まれることになります。え? 自分で運転してるから、「運転代が331円」って考えることもできるですって? 随分安い人件費ですが、まぁ、クルマを運転するのが好きな人には、それでも充分魅力的な選択肢だと思いますよ。

じつは、職場での自家用車通勤手当は、片道で
25km以上、35km未満:17,800円 / 月
ですが、その上に
35km以上 :24,800円 / 月
というのがあります。筆者の片道は32〜40kmほど、平均的には35km前後なので、25kmと同じに落とされては正直言って不満です。
もし35km以上が認定されると、交通費は「1,127円 / 日」となり、「1日あたり1,127円」ー「無料QC後の電気代1日あたり48円」=「1日あたりの経費1,079円」にまで跳ね上がります。これならカフェに寄る分を毎日得られる計算です。お得ですよね。

もう一つの大きな恩恵
これは個人の感想ですが、クルマ通勤にしてから、この冬は一度も風邪を引いていません。仕事がら、声(喉)を使うことが日常なので、毎年冬になると1〜2回は声帯周りを傷めます。都心で働いていたときなど、毎年暮れから2月までの間に、「話している途中に痰が降りてきて喋れなくなる」、ひどいときには「声が全く出なくなる」ような炎症を経験していました。気管支炎と診断され、耳鼻科に吸入に通うこともよくありました。
この部分は自分でも驚いています。普段の走行では「内気循環」が基本なうえ、BEVの車内には、SHARP製の小型の空気清浄機が備え付けてあります。常に稼働しているわけではありませんが。
何はともあれ、毎日のQC使用にも耐えてくれる、サイクル寿命の長い「東芝SCiB」に感謝して、明朝も出かけるとしましょうか。
(文/箱守知己)
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February 08, 2020 at 10:19AM
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