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「娘が衰弱していいと考えたことない」…野田虐待死で父親初公判 - 読売新聞

 千葉県野田市で2019年1月、小学4年栗原心愛みあさん(当時10歳)が自宅で死亡した虐待事件で、傷害致死罪などに問われた父親の勇一郎被告(42)の裁判員裁判が21日、千葉地裁(前田巌裁判長)で始まった。勇一郎被告は傷害致死罪について、「罪は争いません」としたものの、「娘が衰弱していいと考えたことはない」「睡眠を取らせなかったり、シャワーを浴びせたりしたことはない」と述べ、具体的な暴行の内容などについて争う姿勢を示した。

 起訴状では、勇一郎被告は19年1月22~24日、心愛さんに食事も与えないまま浴室に立たせ続け、十分な睡眠を取らせなかったうえ、シャワーで冷水を浴びせかけるなどし、飢餓状態やストレスが原因のショックか不整脈、または水による窒息で24日夜に死亡させたとしている。心愛さんに対する別の傷害や暴行、心愛さんの母親(33)への暴行など合わせて六つの罪で起訴されている。

 勇一郎被告は黒色のスーツ姿で出廷。用意したメモを涙を浮かべて読みながら、「事件直後から、しつけの範囲を超えたものだと深く後悔してきた。未来のみいちゃんの姿を見えなくしてしまった。心から反省している」などと述べた。

 弁護側は、裁判長から起訴事実への認否の意見を尋ねられ、「(勇一郎被告と)同様です」とした。

 裁判の審理は計10日。延べ11人の証人尋問、被告人質問などを経て3月9日に結審し、同19日に判決が言い渡される予定だ。

 事件では、心愛さんの母親も虐待を手助けしたとして傷害ほう助罪で起訴された。母親は19年6月、千葉地裁で懲役2年6月、保護観察付き執行猶予5年の判決(求刑・懲役2年)を言い渡され、確定。この判決は、母親が勇一郎被告の支配下にあったと認定した。

 母親の公判では、勇一郎被告が虐待をエスカレートさせていった状況が明らかになった。

 心愛さんへの虐待が始まったのは遅くとも17年7月頃。一家が、母親の実家がある沖縄県糸満市から野田市に転居した時期だった。

 心愛さんは同年11月に児童相談所に一時保護されたが、勇一郎被告は保護解除後も虐待を継続。18~19年の年末年始には暴行を激化させた。12月30日頃、母親は風呂場から「ドン」という音を聞いた。心愛さんは両まぶたが腫れ、出血していた。元日も勇一郎被告は風呂場で心愛さんにスクワットをさせ、体を持ち上げて床に落とした。1月21日には「存在自体が嫌だ」と心愛さんを寝室に閉じ込め、トイレに行くことも許さなかった。その後も食事を与えず、風呂場で冷水を浴びせるなどの虐待を続けた。

 事件を巡っては、心愛さんの「SOS」を把握しながら危機感を共有できなかった児童相談所(児相)や自治体、学校の不手際の連鎖が明らかになった。

 心愛さんが学校のアンケートで「お父さんにぼう力を受けています」「先生、どうにかできませんか」と訴えたのは、事件の1年以上も前だった。千葉県柏児相がすぐに一時保護したが、直後から、児相や学校、野田市教委への勇一郎被告の猛烈な抗議が始まった。

 市教委は被告の威圧的な要求に屈し、心愛さんのアンケートのコピーを渡していた。学校は「保護者への情報開示を即座に行う」などとする念書を書かされていた。柏児相は、心愛さんが心的外傷後ストレス障害(PTSD)だと診断されていたにもかかわらず、虐待の危険性を十分に検討しないまま一時保護を解除。自宅に戻した後、一度も家庭訪問をしなかった。

 事件後、県と市はそれぞれ有識者による検証委員会を設置し、報告書を公表。県の検証委は「救える命だった」として、関係機関の対応を非難した。市の検証委も、心愛さんを守るために行政が介入するべき時点が13はあったのに、適切に対応していなかったと指摘した。県は、児相の増設や職員の増員などを検討し、再発防止に取り組んでいる。

 政府は事件直後の昨年2月、虐待防止に向けた緊急対策を打ち出し、児相業務の中核である児童福祉司の増員計画の前倒しなどを実施。虐待リスクのある子供の欠席が7日以上続いた場合は、学校から児相などへの情報提供を徹底するよう通知した。6月には「しつけに際して体罰を加えてはならない」と明記した改正児童虐待防止法が成立した。

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February 21, 2020 at 10:13AM
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