
2020年春闘の労使交渉が本格的に始まった。競争激化など事業環境が厳しさを増す中、今春闘では新型肺炎の感染拡大の影響が交渉の行方を左右する可能性もある。日本自動車工業会の尾高和浩労務委員長(ホンダ執行役員)と、メーカーなどの労働組合でつくる自動車総連の高倉明会長に、3月11日の集中回答日に向けた方針や対応などを聞いた。
◇肺炎、一時金交渉を左右=日本自動車工業会の尾高労務委員長
日本自動車工業会の尾高和浩労務委員長(ホンダ執行役員)とのやりとりは次の通り。
―事業環境に関する認識は。
グローバル市場は厳しい。自動車業界は大転換期にあり、設備投資や技術開発を進める必要もある。新型肺炎の影響も不透明で、交渉をめぐる状況は昨年より厳しい。
―経団連は賃上げの勢い維持を求めた。
自動車産業が春闘交渉に与える影響は大きい。将来への投資なども必要な中、バランスを取りながらどう人への投資を最大限行っていくかが最も大切だ。
―新型肺炎はどう影響する。
中国の役割は大きくなっており、(混乱収束が)長引けば長引くほどグローバルのサプライチェーン(部品供給網)に影響が出る。ベースアップ(ベア)交渉では主に将来のことを話し合っているため影響はない。最も出やすいのは(業績に左右される)年間一時金で、何らかの影響は出る。
―ベア水準を非公表にする総額方式など、新たな動きが浸透しつつある。
経営側としても賛同できる取り組みで、この流れはすごく良い。近年の労使交渉は良い方向に行っている。
―日本型雇用の見直しも論点だ。
日本経済の拡大に寄与してきたが、時代は変わってきている。見直しは必要だ。
◇肺炎拡大の影響排除を=自動車総連の高倉会長
自動車総連の高倉明会長とのやりとりは次の通り。
―事業環境をどう見る。
米中貿易摩擦や地政学的なリスクが顕在化し、(アジアや欧米など)自動車業界にとっての主要市場は低迷している。最近は新型コロナウイルスの影響がじわりじわりと出てきており、春闘交渉をめぐる環境は、従来になく非常に厳しい。
―新型肺炎の交渉への影響は。
経営側が収束の見えない新型肺炎の拡大を踏まえ、(賃上げを)慎重に検討せざるを得ないのは分かる。だが、賃金や年間一時金を含めた主要な労働条件に影響させるべきものではない。外的な要因によって賃上げが妨げられる事態は避けるべきだ。
―一時金は業績に影響されやすい。
一時金がある程度業績に連動することは否定しないが、一時金は1年間の総決算として要求しているものだ。取り巻く環境が厳しいときだからこそ、難局を乗り切るための人への投資を勝ち取る必要がある。
―総額要求方式への変更で、昨年は中小の賃上げも進んだ。
かじを切った1年目が良い方向に行った。大手を超える水準を要求するところが出てきた。賃金水準を基礎にした格差是正に本気で取り組んでいくため、この流れをさらに継続し加速させたい。
【了】
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February 25, 2020 at 06:25PM
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交渉本格化、肺炎も影響=自動車労使の代表に聞く - 乗りものニュース
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