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軽自動車を超えた乗り味 スズキ「ハスラー」(Vol.590) - 読売新聞

 スズキのスポーツ用多目的車(SUV)タイプの軽自動車「ハスラー」が、フルモデルチェンジをして2代目となった。2014年に生まれた初代は、永く人気を保ってきた。新型は、写真などで見た時は初代と代わり映えしない外観のように感じたが、実車を前にすると、ボンネットフードが厚みを増し、悪路走破に長けたSUVらしいデザインになっている。2トーンカラーの外装色を選んだ場合、屋根から車体後方の側面まで同一色になっていて、昔のアメリカ車で流行したレザートップに似た印象を受ける。馬車の幌をイメージしたデザインのことだ。

 室内は、まずダッシュボードのデザインが目を引く。運転席のメーター類、中央のカーナビゲーション、助手席の小物入れ部分が、車体のメイン色に合わせた色づかいの大きなフレームで囲まれている。座席も、前席は同じ色で縁取りがなされ、布地自体に滑り止め風の柄が織り込まれている。アウトドアなどレジャーに行く際、気分を盛り上げるとともに、実用性にも配慮したデザインになっているそうだ。

 試乗したのは、最上グレード「X」の自然吸気エンジン搭載車とターボエンジン車の2種で、どちらも四輪駆動(4WD)だった。試乗していないが、それぞれ、二輪の前輪駆動(FF)という選択肢もある。すべて、発進時にモーターが補助するマイルドハイブリッド仕様だ。

 印象深かったのは、ターボエンジン車の乗り味である。発進の際にアイドリングストップの状態からエンジンが再始動する時に、マイルドハイブリッドによりスターターモーターのキュルキュルという音がせず、滑らかに走りだす。その後もエンジン回転数が高くなりすぎず、静粛性を保ちながら加速していく。

 さらに、ターボチャージャーの過給により余力があるので、軽くアクセルペダルを踏むだけで速度を自在に調整できる。静粛性は電気自動車のレベルまではいかないが、軽自動車の走りというより、登録車のように上質な走行感覚である。

 運転中に頭をよぎったのは、スズキの登録車SUV「クロスビー」と競合してしまうのではないかという余計な心配であった。それほど、新型は、走行性能、乗り心地ともに、これまでの軽自動車の常識を超える高い満足をもたらしたのであった。

 自然吸気エンジン車も、マイルドハイブリッドを採用しているため、競合他車に比べると力にゆとりがあり、静粛性にも優れる。しかし、ターボエンジン車の軽自動車を超えたような乗り味までではない。

 室内空間も改良された。初代に比べ、後席の空間が広がった印象で、軽自動車で昨今人気のスーパーハイトワゴンのような、ゆとりの広さがある。

 ただ、唯一残念なのは、スズキ車にはいまだハンドルの前後位置を調整するテレスコピック機構が採用されない点だ。新型ハスラーも、乗り味は登録車なみになったが、運転姿勢が正しく調整できないため、ペダル操作が窮屈で、最後は、やはり軽自動車でしかないのだという現実に戻された。

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March 24, 2020 at 03:20AM
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