ポルシェ初となる市販電気自動車「タイカン」の日本における販売価格が6月5日、ポルシェ・ジャパンから発表されました。他の市場と同様、日本仕様も性能や装備の違いによる3種類のモデルが導入され、消費税込み価格は1448.1万円から2454.1万円となっています。
2019年9月に世界三大陸で同時発表されたポルシェ・タイカンは、4人乗り4ドア・セダン型の車体に、2基の永久磁石シンクロナスモーターを前後車軸にそれぞれ1基ずつ搭載する4輪電気駆動車。開発当初から「ポルシェが作るテスラ・キラー」とあだ名され、ポルシェ自身も発売前からテスラを意識したかのような宣伝を展開してきました。
発表時は最上級モデルの「タイカン・ターボS」と、そのパワーをやや抑えた「タイカン・ターボ」の2モデルでしたが、わずか1カ月後にはバッテリーとモーターの出力を減らした「タイカン4S」を追加。日本では3モデルの価格が同時に発表されました。
ベーシック・モデルの「タイカン4S」は、「パフォーマンス・バッテリー」と呼ばれる容量79.2kWhのリチウムイオン電池を搭載。2基のモーターが合計で最高出力435psと最大トルク640Nmを発生します。ローンチコントロール(急発進)機能を使えば、一時的にパワーが530psに引き上げられ、0-100km/hまで4.0秒で加速。1度の充電で走行可能な距離は、世界標準規定のWLTPモードで最大407kmと発表されています。参考までにもっと現実的な数字を挙げると、市街地30%、郊外40%、高速道路30%という走行条件で、外気温20度、エアコンはオンにすると、航続距離は303kmに留まります。一方、外気温35度の日にエアコンも付けず郊外ばかり走るなら、412kmまで伸ばすことができます。
さらにタイカン4Sには、上級モデルと同じ容量93.4kWhの「パフォーマンス・プラス・バッテリー」をオプションで装備することも可能です。すると最高出力は490ps(ローンチコントロール時は571ps)、最大トルクも650Nmに向上。それでも上位モデルより穏やかなパワーに抑えられていることもあり、1度の充電でタイカン・シリーズ最長となる463kmの距離を走行可能になります。
装備面ではブレーキディスクが鋳鉄製で、19インチのホイール(タイヤのサイズは前225/55R19、後275/45R19)が標準になることが上位モデルとの違いです。日本における価格は1448.1万円。
中間グレードのモデルは「タイカン・ターボ」と名付けられていますが、もちろん電気自動車ですからターボチャージャーが装備されているわけではありません。ポルシェはすべてターボ付きになった内燃エンジン搭載モデルでも、上級グレードにのみ、わざわざ「ターボ」という名称を与えていることからわかるように、ターボという言葉はポルシェにとって高性能を表す呼称であり、過給器の有無とは必ずしも関係ないようです。
このタイカン・ターボは容量93.4kWhのバッテリーが標準で、前後のモーターが生み出す合計最高出力は625ps(ローンチコントロール使用時は680ps)。最大トルクは850Nmとなります。0-100km/h加速は3.2秒に縮まり、1度の充電で走行可能な距離はWLTPモードで最大450km。20インチ・ホイール(タイヤのサイズは前245/45R20、後285/40R20)が標準で、タイカン4Sより大径のブレーキディスクは鋳鉄製ながらセラミックコーティング (炭化タングステン)が施された「ポルシェ・サーフェスコーテッド・ブレーキ」になります。日本での消費税込み価格は2023万1000円。
最上級モデルの「タイカン・ターボS」は、タイカン・ターボと共通の容量93.4kWhのバッテリーを装備。2基のモーターによる合計最高出力も、通常時はタイカン・ターボと同じ625psですが、ローンチコントロールを発動させれば761psを発揮。0-100km/hを2.8秒で加速します。最大トルクはシリーズ最強の1050Nm。ブレーキも最高の「ポルシェ・セラミック・コンポジット・ブレーキ」が標準で与えられます。
ただし、バッテリー容量はタイカン・ターボやタイカン4Sのオプションと変わらず、燃費…ではなく電費に影響を与えるタイヤのサイズが前265/35ZR21、後305/30ZR21と太くて大きいこともあり、WLTPモードによる航続距離は最大でも412kmに留まります。消費税込み価格は、タイカン4Sより1000万円以上も高価な2454万1000円。
既に伝えられていた米国での価格と比べるとずいぶん高い気もしますが、日本仕様のタイカンは3モデルとも、レーンチェンジアシスト、アダプティブクルーズコントロール、サラウンドビュー付パークアシストなど、他の市場ではオプションとなる多くの装備が標準で搭載されています。それでも、なるべく安い金額でポルシェの電気自動車に乗りたいという人は、今後登場が噂されているモーターを1基に減らした2輪駆動のタイカンや、あるいは電気自動車になることが予告済みの次期型「マカン」が発売される時を待ちましょう。
なお、写真は左ハンドルですが、日本仕様のタイカンはすべて右ハンドルとなります。
Porsche
なお、ポルシェ・ジャパンはタイカンの導入に併せ、そのオーナー向けに独自の充電ネットワークを日本全国に展開すると発表しました。
ポルシェ・ジャパンが設置するこの急速充電器は、その名も「ポルシェ・ターボチャージャー」(だからポルシェにとって「ターボチャージャー」という名称は必ずしも…以下略)と呼ばれ、日本国内では現在最大クラスの充電出力150kWを誇ります。150kWの充電出力は、2017年に改訂されたCHAdeMO規格ver1.2より可能になったもの。この充電器を使うと、タイカン4Sに標準の71kWhのバッテリーを、24分で80%(走行距離300km分)まで充電できます。
もちろん、日本仕様のタイカンは国内で普及しているCHAdeMO規格に対応していますから、ポルシェ・ターボチャージャー以外でも、全国に設置されている一般的な公共充電施設を利用できます。タイカン自体は800Vという高電圧システムに対応しているため、充電設備さえ整えばさらなる急速充電が可能になるはず。
ポルシェ・ターボチャージャーは全国のポルシェ販売店に設置され、2020年内に21拠点まで増える予定です。さらに2020年中に東京4カ所、名古屋と大阪2カ所ずつ設置されるポルシェ・ターボチャージング・ステーションは、150kWのポルシェ・ターボチャージャーを1カ所につき2基ずつ設置。これに併せて8kWの普通充電器「ポルシェ・モバイルチャージャー・コネクト」も用意することで、長時間滞在用と短時間滞在用で使い分けることが可能になるとポルシェ・ジャパンは言います。さらに全国のホテルやゴルフ場など、ポルシェ・オーナーがある程度の時間、滞在する場所にも充電器を設置していく予定とのこと。これはポルシェ・オーナーであれば無料で使えるそうです。
ポルシェ・ジャパンは7月以降に東京都内でタイカンの展示を含むポップアップの開設を予定しているそうです。たとえ今すぐには買う気にならなくても(買えなくても)、とりあえずポルシェ初となる電気自動車を、機会があればご覧になってみてはいかがでしょうか。
タイカンに関するもう少し詳しい情報は、発表当時に掲載したこちらの記事をご覧ください。
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Source: ポルシェ・ジャパン
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June 06, 2020 at 07:07AM
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