「赤鬼」について語る野田秀樹
東京芸術劇場(東京・豊島)が7月24日から自主公演を再開させる。芸術監督、野田秀樹が若い俳優を育成するため2018年末に立ち上げた東京演劇道場の道場生(受講生)による公演だ。野田自身が代表作のひとつ「赤鬼」を演出、4組のチームで上演する。劇場は新型コロナウイルス感染症対策のため、5カ月ほど主催公演を中止していた。
東京演劇道場はオーディションで集まった俳優が月1回のペースで集まり、演出家や振付家の指導のもとワークショップに励んできた。「演劇の原点は稽古場で集まること」と考える野田が設けたのは固定化した劇団以前の、ゆるやかな作業チーム。19年夏からは「赤鬼」をテキストに用いて稽古に励んできた。興行が避けられがちな五輪期間中を想定し、成果発表を準備してきた。
1996年に初演された「赤鬼」は離島に漂着した異邦人が人を食う鬼とおそれられ、迫害される小編だ。海外でも制作され、タイ版、英国版、韓国版と演出を換えて上演された。言葉の通じない異分子が疎外される寓意(ぐうい)は、キャストや時代状況によって人種的偏見に見えたり、自然界の不条理を印象づけたりと性格を変える。
コロナ禍で「世界の赤鬼性が強まっている」と野田が語るのは、社会の同調圧力の強まりや米国に根強い人種差別への抗議の高まりが「瞬間的に感じられる舞台になった」から。見えないものを怖がり、他者を攻撃する「精神の暴発」を描く作意が「運悪くタイムリーになってしまった」という。
言葉遊びや身体の躍動で若き日に演劇界の旗手となった野田にとって、「赤鬼」はワークショップで即興的な面白さを発見する作風への転換を促した記念碑的な作品といえる。ことにタイ版は楽器や小道具を駆使し、見えないものを見せる「想像力の演劇」の傑作だった。8月16日まで4組が順次公演する今回はタイ版に準拠する。
(内田洋一)
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July 21, 2020
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東京芸術劇場、野田秀樹作・演出「赤鬼」で再開 - 日本経済新聞
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