児童虐待、相談最多９０６１件全国４位昨年度、野田の事件で関心 - 東京新聞

　県の児童相談センターによる二〇一九年度の児童虐待相談対応件数は前年度から千五百十四件増の九千六十一件に上り、前年に続いて過去最多を更新。都道府県別で全国四位だった。政令市の千葉市を加えた相談件数は一万七百十五件だった。前年度の一九年一月に野田市で小学四年生の女児が命を落とした虐待死事件の発生を受け、社会的関心の高まりが相談の増加につながったとみられる。　（中谷秀樹）

　相談を受けた虐待の内容は、家庭内で子どもの前で暴力をふるったり、子どもに暴言を吐くなどしてショックを与える「心理的虐待」が四千八十一件で最も多かった。殴るなどの「身体的虐待」が二千七百三十九件（３０％）、育児放棄など「保護の怠慢や拒否」が二千八十二件（２３％）と続き、「性的虐待」は百五十九件（２％）だった。

　虐待加害者の九割超は実の両親で、実母が四千七百七十八件（５３％）、実父が三千五百三十八件（３９％）だった。義理の父が四百十七件（４％）、義理の母が五十件（１％）だった。

　被害を受けた子どもの年齢別では、小学生が三千九十九件（３４％）、三歳以上就学前が二千二百九十三件（２６％）、三歳未満が千八百三十三件（２０％）、中学生が千二百五十三件（１４％）の順に多かった。

　虐待事案の対応として、児童虐待防止法に基づく安全確認は、前年度の七千三百二十件から千六百四十三件増の八千九百六十四件だった。県児童家庭課は「県民の意識が高まり、暴力を伴うしつけなど以前なら虐待と認識されていなかった行為や、初期段階での相談が件数の増加につながっている。虐待が疑われる場合は早めに相談してほしい」と呼び掛けている。